マイナンバーリスクマネジメント・6
さて、影響範囲も特定され、
個人情報保護委員会や警察への届け出も済みました。
重大事案や初めてのケース等、
世間に公表しなければなりません。
委員会との相談になりますが、
場合によっては記者会見なども組む必要があるでしょう。
この際に絶対にやるべきこと。
それは「代表者が前面に立つ」ことです。
世間は不祥事が起こった際、その企業の「誠意」を見ます。
そこに代表者が出てこないとなると、
「この会社は漏えい事件をなんだと思ってるんだ」
「代表者が責任感のない、いい加減な会社なんだ」
と見てしまいます。
一度ついた印象はなかなか変えられません。
最近でいえば、
最初から社長が出て涙を流した旭化成建材と
副社長しか出てこず、下請けの責任だと言い続けた三井住友建設の
印象の差をイメージしていただければいいでしょうか。
漏えい事件でいえば、
かつて、ジャパネットたかた が個人情報漏えい事件を起こした際、
あの名物社長が涙ながらに会見し、
原因追求と再発防止が図れるまで、販売を中止する
としたことがありました。
このときの売り上げ減は100億以上と言われています。
ですが、このときの対応で
「ジャパネットたかたは顧客を大切にする企業なんだ」
という印象が世間に定着し、
翌年、売上を200億伸ばしてるんですよ。
一方、ベネッセの時は、最初から社長は出ましたが、
「自分が社長の時の事件ではない」
「賠償は考えていない」
と、自分の責任回避に終始したもんだから
世間から大バッシングを受けちゃいましたね。
漏えい事件は起きえます。
ただ、その際の対応をちゃんとできるかどうかで
その後の差が歴然としてきます。
これがリスクマネジメントの本質なのです。
そして、この差は社長の心構えの差に左右されるところが非常に大きいのです。